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園内花アルバム

イヌホオズキ(ナス科) Solanum nigrum

イヌホオズキの果実。アメリカイヌホオズキなどに比べ、果実につやがなく、果柄はそれぞれ離れて軸に付く。 夏から秋、直径1cmほどの白色の花を咲かせる。中央の黄色い部分は花粉を出す「やく」。
▲イヌホオズキの果実。アメリカイヌホオズキなどに比べ、果実につやがなく、果柄はそれぞれ離れて軸に付く。 ▲夏から秋、直径1cmほどの白色の花を咲かせる。中央の黄色い部分は花粉を出す「やく」。

 

 イヌホオズキは日本全国の山野から路傍、荒れ地等に生育する一年草です。高さは大きくなれば90cmほどにもなりますが、通常は20~30cm程度の場合が多いようです。朱色の袋状のがくを持つ、いわゆる普通のホオズキ(酸漿・鬼灯)とは別属であり、ホオズキとは違う仲間との意味でイヌホオズキと名付けられています。葉は卵形で、葉のふちは全縁(ぎざぎざがない)か、ゆるやかな波状の鋸歯(ぎざぎざ)があり、葉の両面、茎には短く曲がった毛がまばらに生えています。花は通常は白色で、夏から秋にかけて咲き、花を咲かせながら、直径1cm弱の黒色の液果を実らせます。全草を乾燥させたものは、生薬として「龍葵(りゅうき)」と呼ばれて用いられますが、本種の仲間はソラニンやサポニンといった有毒成分を含む毒草であるため、家庭での利用は避けた方が良いでしょう。

帰化植物のアメリカイヌホオズキの果実。ニスを塗ったような光沢があり、花柄は1ヶ所にまとまってつく。
▲帰化植物のアメリカイヌホオズキの果実。ニスを塗ったような光沢があり、花柄は1ヶ所にまとまってつく。

 本種は岡山県においても中部以南に普通に分布する植物ですが、近年はアメリカイヌホオズキなどの近縁の帰化植物が分布を急速に広げており、場所によっては本種よりも普通に見かけるようになっています。ややこしいことに、本種の仲間の帰化植物には他にもオオイヌホオズキ、テリミノイヌホオズキ(在来種とする意見もある)など大変種類が多いうえ、形態も似通っていて見分けが大変難しい仲間です。そのため、本種であるかどうかを見分けるには、果実の付き方や光沢の状態などをしっかり見る必要があり、結果的に見つけにくくなっています。アメリカイヌホオズキとの見分けのみについてですが、見分けるためには花ではなく、果実を観察する必要があります。本種の果実は光沢がほぼ無く、果柄はあまりまとまらずに軸につきますが、アメリカイヌホオズキの果実はニスを塗ったような光沢があり、果柄は軸の先端に一か所にまとまってつきます。これらの特徴に加えて果実を潰してみて、種子に混じって1~3個の小さな固い粒(球状顆粒と呼ばれます)があればアメリカイヌホオズキあるいはその他の帰化種の可能性が考えられます。また、一つの房に付く果実の数はアメリカイヌホオズキの方が1~4個と少ないのに対し、本種は5~10個程度の房となります。種子のサイズはイヌホオズキの方がやや大きいようです。図鑑によっては果実が落ちる時に果柄ごと落ちるか、果実のみ落ちるかを見分けのポイントとしているものもありますが、例外が多く、あまりあてにならないようです。
 当園のある倉敷市内でもどちらかと言うと帰化種を見かけることのほうが多いのですが、当園のある浅原地域周辺ではイヌホオズキの方がまだ多く、園内の圃場周辺でも雑草として大変旺盛に生育しており、管理作業における悩みの種となっています。

やや光沢のある果実。といっても、アメリカイヌホオズキのようなつやつやとした光沢はない。 花は通常白色だが、まれに紫色を帯びるものがあり、紫色を帯びることの多いアメリカイヌホオズキ等と紛らわしい。
▲やや光沢のある果実。といっても、アメリカイヌホオズキのようなつやつやとした光沢はない。 ▲花は通常白色だが、まれに紫色を帯びるものがあり、紫色を帯びることの多いアメリカイヌホオズキ等と紛らわしい。

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