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園内花アルバム

カワラケツメイ(マメ科)   Chamaecrista nomame

葉がネムノキ(合歓)に似ているので岡山県北ではお茶を「こうか茶」と呼ぶ。オジギソウにも似ているが、本種は触っても葉は閉じない。 花は黄色で直径1㎝弱。葉のわきにまばらに付く。果実はいわゆる豆のさやの形で、学名(種小名)のnomameは日本語の「野豆」が由来である。
▲葉がネムノキ(合歓)に似ているので岡山県北ではお茶を「こうか茶」と呼ぶ。オジギソウにも似ているが、本種は触っても葉は閉じない。 ▲花は黄色で直径1㎝弱。葉のわきにまばらに付く。果実はいわゆる豆のさやの形で、学名(種小名)のnomameは日本語の「野豆」が由来である。

 

 カワラケツメイは、本州・四国・九州の日当たりのよい場所に生育するマメ科の一年草です。河原や河川の土手などに群生し、生薬として用いられるエビスグサ(生薬名を「決明」という)と同じマメ科の植物であるので、「河原決明」の名があります。茎は硬く丈夫で、図鑑では高さ30~60㎝程度になるとされますが、たまに草刈りをされたり、踏みつけのあるような環境では放射状に枝を広げて地面を低く這うような形となったり、肥料と水分が十分な状態で栽培されると1mほどにも成長したりと、生育環境に応じてさまざまな姿となります。葉は互生(互い違いに出る)で、細かい小葉に分かれた長さ10㎝ほどになる偶数羽状複葉(鳥の羽のような形をしている)です。南米原産のオジギソウの葉にも似ていますが、本種は触っても小葉が閉じることはありません。ただし、夜間や雨天の場合、あるいはあまり暑さや乾燥がきつい場合には葉を閉じた状態となります。花は8~9月、茎の上部の葉の付け根に直径1㎝弱の黄色の花をまばらに咲かせます。花の後には長さ3~4㎝ほどの果実(豆のさや)ができて10月頃になると茶色く熟し、天気の良い日にはさやがパチパチと音を立ててはじけて種子(豆)を弾き飛ばします。

 

日当たりがよく乾燥気味の場所に群落を形成する。かつては河原や土手、田の畔など、いたるところに群落がみられた。 乾燥させたものを刻んで軽く焙煎すると、非常に良い香りのするお茶となる。
▲日当たりがよく乾燥気味の場所に群落を形成する。かつては河原や土手、田の畔など、いたるところに群落がみられた。 ▲乾燥させたものを刻んで軽く焙煎すると、非常に良い香りのするお茶となる。


 漢方では、本種の果実のついた全草を「山扁豆(さんぺんず)」と呼び、利尿や整腸の効果のある生薬として用いますが、普通にお茶として飲用しても大変おいしいので、地方によって弘法茶・合歓茶・浜茶・岸茶・豆茶などと様々に呼ばれて庶民の間で日常的に飲まれていたようです。岡山県でも本種の葉がネムノキ(合歓)に似ていることから、ネムノキの地方名である「こうかい」から名をとって、「こうかい(こうか)茶」と呼ばれて県北部地域を中心に利用されていたようです。お茶の製法は簡単で、9月頃、花と若い実が両方見られる時期に全草を刈取り、軽く洗った後、風通しの良い日蔭で干して乾燥させます。乾いたものをハサミなどで数㎝程度に刻み、軽く炒ってから普通のお茶と同様に急須などで入れると、大変香り高く、苦みのないまろやかな味わいのお茶となります。しばらく置いておいても緑茶のように渋みが出ませんので、子供でも飲みやすいですが、煎じたものは緩下薬としても用いますので、麦茶のようにがぶ飲みはしない方が良いかもしれません。  

 本種もかつては様々な場所で大群落を作っていたそうですが、現在では大きな群落にはめったに出会うことはできなくなっています。小規模な群落は比較的残っていますので、本種は絶滅が危惧される状態ではありませんが、本種を食草として利用するツマグロキチョウというチョウの一種は、本種の群落の減少に伴って数を減らしている絶滅危惧種で、岡山県レッドデータブック(2009)では留意種とされているほか、環境省のレッドリストでは2007年の絶滅危惧Ⅱ類から、2012年のレッドリストでは絶滅危惧ⅠB類にランクアップしています。当園ではこのツマグロキチョウの保護も兼ねて、園内にもともと自生していたものを積極的に栽培・増殖し、余剰分を時折、来園者に差し上げており好評をいただいています。

見渡す限りのカワラケツメイの大群落(2009年:岡山県真庭市)。このような大群落は現在ではめったに見られない。 園内の水やり後、吸水に集まったツマグロキチョウ。生息数の減少とカワラケツメイの生育面積の減少は無関係ではない。
▲見渡す限りのカワラケツメイの大群落(2009年:岡山県真庭市)。このような大群落は現在ではめったに見られない。 ▲園内の水やり後、吸水に集まったツマグロキチョウ。生息数の減少とカワラケツメイの生育面積の減少は無関係ではない。

 

カワラケツメイ カワラケツメイ

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