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園内花アルバム

オオユウガギク(キク科) Aster robustus

秋、比較的大ぶりな直径3~4cmの頭花をつける。花色は淡青紫色の物が多いが、濃淡がある。 日当たりがよく、やや湿り気のある林縁のような場所を好む。地下茎でも繁殖し、しばしば群生する。
▲秋、比較的大ぶりな直径3~4cmの頭花をつける。花色は淡青紫色の物が多いが、濃淡がある。 ▲日当たりがよく、やや湿り気のある林縁のような場所を好む。地下茎でも繁殖し、しばしば群生する。

オオユウガギクは、中部地方以西の本州・四国・九州の湿地や水田周辺、林縁など、山野の日当たりが良く、やや湿り気のある場所に生育する多年生草本です。茎は長さ1~1.5mほどになりますが、他の植物にもたれかかるようにやや倒れて生育することが多いほか、草刈りの後に再生して花をつけたような株も多く、高さは30~50㎝程度であることが多いようです。地下茎を長く伸ばして繁殖し、しばしば群生します。岡山県下ではもっとも普通にみられる秋の野菊のひとつです。

花は秋、枝分かれした茎の先端に、他の野菊の仲間に比べると大ぶりな直径3~4cmほどの頭花をつけます。舌状花の花色は普通、淡青紫色ですが、かなり濃い色のものから、ほぼ白色のものまで、濃淡があります。同じ時期の同一集団では、花色が揃っていることが多いようですが、花色が薄い集団と濃い集団が隣接して生育していたり、花色の薄いものばかりの地域もあったりと、個体差、地域差が大きいようです。花の最盛期は9~10月頃ですが、8月頃から咲き始め、草刈りをされるような場所では11月頃まで花が見られることも珍しくなく、花期の比較的長い野菊です。

総苞は長さ5~6mm、やや長い卵形をしており、3列に並ぶ。外片は内片より短い。 そう果は長さ3~3.5mm。白色毛と腺毛を持つ。この種子は冠毛が短めだが、長い冠毛も混じっている。
▲総苞は長さ5~6mm、やや長い卵形をしており、3列に並ぶ。外片は内片より短い。 ▲そう果は長さ3~3.5mm。白色毛と腺毛を持つ。この種子は冠毛が短めだが、長い冠毛も混じっている。

 

茎には全体に短毛が生え、ややざらつきます。茎の硬さは他の野菊の仲間に比べると、やや軟らかく、折れ曲がりやすいのですが、脆弱というわけではなく、むしろ、しなやかであって簡単に手折ることはできません。葉は茎の中部~下部では長さ8~10cmで粗く大きな鋸歯がありますが、上部に着く葉は長さ4~5cmほどで細く、鋸歯がほとんど無いか、低く目立ちません。葉の表裏には微毛が生えています。

茎の中部から下部の葉には大きな鋸歯がある(中央・右)。茎上部の葉は細く、鋸歯はほとんどないか、低く目立たない(左)。 茎には短毛が生える。茎は他の野菊に比べればやや軟らかいが、簡単には手折ることはできない。
▲茎の中部から下部の葉には大きな鋸歯がある(中央・右)。茎上部の葉は細く、鋸歯はほとんどないか、低く目立たない(左)。 ▲茎には短毛が生える。茎は他の野菊に比べればやや軟らかいが、簡単には手折ることはできない。


秋に咲く野菊の仲間はどれもよく似ていて、見分けが付きにくいものが多く、頭を悩ませることが多いのですが、特に本種とヨメナ A. yomena 、ノコンギク A. microcephalus var. ovatus は特によく似ていて、一見しただけでは見分けが付きません。これらの見分けのポイントになるのは、そう果の頭に着いている冠毛の状態で、ヨメナは冠毛が極めて短く0.5mmほどで、長さが揃っています。ノコンギクは4~6mmと長い冠毛を持ちます。対して、本種の冠毛は普通1mmよりやや長い程度ですが、ややこしいことに、ヨメナ並みに冠毛が短いもの、ノコンギクほど長くはないが、2~3mm程度の長い冠毛を持つものなど、個体によってかなり幅があります。しかし、本種の冠毛には、長さがまちまちで不揃いであるという特徴があり、冠毛が短めであっても長めであっても、不揃いであれば、本種であると考えて良いようです。ただし、冠毛の観察は肉眼では難しく、ルーペを用いて確認することが必要になります。

ちなみに和名を漢字表記すると「大柚香菊」で、近畿地方以北に分布するユウガギク A. iinumae に比べ、全体としてやや大きいことを表したものです。「柚香菊」とは、葉を揉んだ際の香りがユズの香りを思わせることから名が付いたとされます。

(2016.10.22)

そう果の冠毛が短いタイプ。冠毛が0.5mmほどで均一ならヨメナの可能性があるが、これはやや不揃い。 冠毛が比較的長いタイプ。冠毛が長いか短いかに関わらず、冠毛が不揃いであることが識別ポイント。
▲そう果の冠毛が短いタイプ。冠毛が0.5mmほどで均一ならヨメナの可能性があるが、これはやや不揃い。

▲冠毛が比較的長いタイプ。冠毛が長いか短いかに関わらず、冠毛が不揃いであることが識別ポイント。

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