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園内花アルバム

サワヒヨドリ(キク科) Eupatorium lindleyanum

秋、茎の上部に白色~淡紅色の頭花を多数咲かせる。湿地周辺に生育していることが多いが、ある程度の湿り気があれば、田の畔や路傍などにも普通に生育する。 頭花は5個の筒状花が集まっている。筒状花の内部から突き出している白いひも状のものは花柱(雌しべ)である。
▲秋、茎の上部に白色~淡紅色の頭花を多数咲かせる。湿地周辺に生育していることが多いが、ある程度の湿り気があれば、田の畔や路傍などにも普通に生育する。 ▲頭花は5個の筒状花が集まっている。筒状花の内部から突き出している白いひも状のものは花柱(雌しべ)である。

 

サワヒヨドリは、日本全国の湿った草地や湿地に生えるキク科の多年草です。茎は紅紫色を帯び、上部には縮れた毛を密生します。葉は細長く幅1~2cm、長さ6~12cm程度の披針形(披針=両刃のメスのこと)で、対生しますが、しばしば葉の基部まで深く3裂して輪生状になります。葉の縁には粗い鋸歯があり、葉裏には普通、腺点が見られます。岡山県で生育が確認されているヒヨドリバナ属の植物の中で、葉裏に腺点を持たないものはサケバヒヨドリ E. laciniatumのみですが、本種にもときに腺点のないものがみられ、ホシナシサワヒヨドリ f. eglandulosu という品種として区別されることもあります。葉は非常に多形で生育環境、地域等によっても変化があります。岡山県北の草原などでは、葉が細いタイプよりもやや幅の広い長卵形のタイプのものが多く見られます。花期は9~10月頃で、茎の上部に散房状に白色あるいは淡紅色の多数の頭花を咲かせます。頭花は5個の筒状花が集まってできています。筒状花の先は5裂しており、内部から2つに裂けた長い花柱(雌しべ)が突き出しています。花柱は白色のため、完全に開花して花柱が伸びると、蕾の時には淡紅色の花序が白色に変化したように見えます。

葉は葉柄がなく、葉の基部から3裂した場合には、写真のように輪生状になる。(茎の下部の葉は輪生することもある。) 葉裏には普通、腺点が見られる。岡山県のヒヨドリバナ属で腺点がないものはサケバヒヨドリのみだが、本種にも腺点のないものがある。
▲葉は葉柄がなく、葉の基部から3裂した場合には、写真のように輪生状になる。(茎の下部の葉は輪生することもある。) ▲葉裏には普通、腺点が見られる。岡山県のヒヨドリバナ属で腺点がないものはサケバヒヨドリのみだが、本種にも腺点のないものがある。

 

名のサワヒヨドリは、沢など湿り気の多い場所に生えるヒヨドリバナの意味ですが、ヒヨドリバナの「ヒヨドリ」は、ヒヨドリバナの仲間が鳥のヒヨドリが鳴く頃に咲くからとも、綿毛を火起こしの際に「火を取る」火口に使ったので「火を取る花」からヒヨドリバナになった、葉の形がヒヨドリの翼の形に似ているので…など、様々な説があってはっきりしません。

当園に来られる見学者の中には、本種を見て、秋の七草で知られるフジバカマと勘違いされる方が割合大勢おられますが、本種とフジバカマは同じ属の植物で、花姿がよく似ているうえ、花期がフジバカマとほぼ同じ時期(正確にはフジバカマが1月ほど早く咲き始める)ですので、植物の知識がなければ、秋の野にたくさん咲いている本種を見て間違えるのも無理はないかもしれません。ちなみにフジバカマと本種を比較しますと、フジバカマは高さ1.5mほどになるのに対し、本種は高さ30~80cm程度でやや草丈が低く、フジバカマの葉には短い葉柄がありますが、本種の葉には葉柄がありません。また、フジバカマはサクラの葉と同じクマリンという物質を含むため、生乾きのときに桜餅のような香りがしますが、本種はクマリンを含まないため、香りはしない…などの違いがあります。

当園の湿地エリアには、もともと本種が自生していますが、毎年10月頃になると本種の白い花、スイランの黄色の花、サワギキョウの紫の花などが湿地一面に咲き乱れ、ヤノネグサの紅葉の赤などがアクセントとなり、美しい秋のお花畑となって見学者の目を楽しませています。

葉は非常に多形で、中国山地などの草原では、やや幅の広いタイプのものが多くみられる。写真は岡山県真庭市の蒜山地域で撮影したもの。 当園の湿地エリアでは、10月頃になると、本種とスイラン、サワギキョウなどが一面に咲き乱れ、美しい秋のお花畑を形作る。
▲葉は非常に多形で、中国山地などの草原では、やや幅の広いタイプのものが多くみられる。写真は岡山県真庭市の蒜山地域で撮影したもの。 ▲当園の湿地エリアでは、10月頃になると、本種とスイラン、サワギキョウなどが一面に咲き乱れ、美しい秋のお花畑を形作る。

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