● 枯葉に化けて　（2009.4.18）

　林縁の小径を歩いていると突然枯葉色の蝶が飛び出して、少し先の木立の間に入って止まったようです。そう。クロコノマチョウに違いない。
　そっと近づいてどこに降りているのか探します。なかなか見つかりません。地面をなめるように目線を移していると、馬脚ではなく、これはまた見事な美脚が見えるではありませんか。まるで、バレリーナのそれのよう。脚が綺麗なばかりに、折角の隠遁色で身を隠していたのに見つかっちゃった。
　頑張っているのですね。もともと東洋区熱帯系の蝶でわが国は分布の北限にあたります。近年、当地では急増し、日本国内では東進北上を続けている様子です。
　写真の秋型個体は厳しい冬を越してきたはず。止まると、翅をたたんで、心憎いばかりに枯葉模様の裏面しか見せませんでした。何時の年でしたか、美星町のツルヨシ群落では、若葉そっくりの緑色幼虫を沢山見つけたことがありました。 （青野孝昭）

総社市清音黒田　（2009.4.18）