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院長からのメッセージ

本文は、2007.06.01に.e-doctor.のホームページHOSPITAL INFOlに掲載されたものを改変したものです

生きることの尊さと健康であることの幸せをすべての人と共に

医療法人創和会しげい病院 重井文博 理事長・院長

 

重井文博 理事長・院長  倉敷市は岡山県の南部に位置する人口約47万人の県下第2位の都市であり、中国地方でも広島市、岡山市についで第3位にあります。
 街の中心部の「美観地区」は倉敷川沿いに白壁の町並みと大原美術館が立ち並び、有名な観光地となっています。

  しげい病院は、美観地区にも倉敷市の交通の要であるJR山陽本線倉敷駅からも徒歩圏内で、中心街近くにありながら都会の喧騒がいりまじることもない、比較的閑静な場所にあります。

 

◆重井文博 理事長プロフィール

院長室から見える満開の桜
▲院長室から見える満開の桜

1955年に倉敷市に生まれる。1980年北里大学医学部を卒業後、同大学消化器内科に入局する。1981年に横須賀共済病院(神奈川県横須賀市)、1984年に只見町国保朝日診療所(福島県南会津郡只見町)、1986年に小田原市立病院(神奈川県小田原市)に勤務する。1991年に岡山大学第一内科に入局し、同年重井医学研究所附属病院に勤務する。1994年に重井病院に副院長として着任し、1996年に医療法人創和会理事長、2000年にしげい病院院長に就任する。

 

病院の沿革

  1955年、現在のしげい病院から南に約1km離れた場所に、重井博が重井内科診療所を設立。科目の分業化が進んでいない当時は、内科を標榜していても様々な病状の患者さまが訪れた時代であり、非常に忙しかったという。患者さまの増加に伴い、1958年にはベッド数60床の医療法人創和会 重井病院を現在地に設立しました。
   1964年に136床に増床する。また1968年にキール型透析装置(ハミルトン社製2式)を導入し、岡山県ではいち早く人工透析を始めた。1976年に280床に増床。
  そして医療法人創和会設立20周年の1978年には岡山市に重井医学研究所を開設しました。
  「腎臓疾患に関して西日本の中心的存在になろうという志を掲げたものの、それまでの場所では手狭だったんですね。それで岡山市に開設し、翌年には重井医学研究所附属病院の設立につながりました。」
  重井医学研究所附属病院は1987年には200床に増床し、腎臓病センターの他に肝臓病センター、近年には小児療育センターも開設し、現在も専門性を生かして地域医療に貢献しています。
  一方、倉敷市のしげい病院については特徴のない病院になったきらいがありました。
  「他の病医院さんからは『透析があるだろう』とは言われるのですが、やはりマンネリというか、医療の提供内容にしても経営上においても行き詰まり感を感じていましたし、この病院のあるべき姿を描ききれていなかった。そこで1997年に私の主導で『創I計画』というCIを導入しました。」
   そこからしげい病院の新たなスタートが始まりました。まず病院の方向性を打ち出しました。それは「療養型病床」に力を入れる戦略です。当初は老健、特養の設立を考えましたが、他の医療機関に遅れを取ってしまいました。この地区ではベッド数が既に充足しており、許可が下りなかったのです。老健、特養は断念せざるをえませんでしたが、一般病床から療養病床への転換では補助金が交付されることもあり、1998年に南館を新築しました。

パワーリハビリテーション

  「この地区での取り組みは一番早かったですね。また今後は介護施設と競争になるだろうと思っていましたから、老健の施設基準に負けないように病床面積を8u以上にしたり、病室にトイレを設置したり、食堂を設けるなどの工夫をしました。お蔭様で訪れた方から『ここは老健施設ですか』と言われることもありますよ。」
  このような変革に際しては職員の間からも反対意見はありましたが、今では地域住民から高く評価されています。その後、訪問看護ステーション、通所リハビリテーションを開設した。2001年には回復期リハビリテーション病棟48床を開設し、現在は一般病床と療養型病床の合計256床の病院として医療、介護サービスを提供しています。
  「療養型病床を取り巻く環境は厳しいものがあります。ただ早い段階から取り組んだことでノウハウの蓄積があること、CI導入ではっきりと方向性を示したため、職員がそのベクトルにあった行動をしてくれたこと、そして近接して1161床を有する倉敷中央病院があり、face to face の連携がとれていることで、この状況を乗り越えたいですし、また地域住民の方にとって回復期の医療、そして透析とリハビリを専門とする存在感のある病院として発展したいと思っています。」

病院の特徴

・透析医療のパイオニアとして
 慢性腎不全の患者数は糖尿病患者の増加に伴い年々増え続け、透析療法などによる医療費増大が大きな問題となっています。しげい病院は県内でもいち早く透析医療に取り組んでいたため、今では全国からの依頼透析を含め月平均260人の患者さまが来院しています。
  「当院に透析の患者さまが増えたらよいということではなく、透析導入となる患者さまをいかにして減らすか、また不幸にして透析が必要となった場合にいかにクオリティの高い生活を取り戻し、維持するかを考えることが透析を専門とする我々の使命だと感じています。」
  今のところ腎不全を完治させる決定的な方法はありません。しかし腎不全の早期診断と適切な治療により進行を極力遅らせることが可能になってきたので、透析患者の合併症を防ぐ治療と同様に透析開始の防止に努め、また得意とする運動療法のパワーリハビリテーションをもちいて透析患者さまのQOLの向上に心掛けています。


・回復期リハビリテーション
 「生活の場に近い環境でのリハビリ、病棟リハビリ」を中心に、医師、PT、OT、ST、看護師、薬剤師、管理栄養士、MSW、歯科衛生士、介護福祉士、クラークがチームを組み、個々の患者さんに合わせてプランを策定し、社会への早期復帰を目指しています。2006年と2007年4月よりの診療報酬改定でリハビリテーションの算定日数に上限と逓減制が設けられましたが、「全く気にならない」と意に介していません。
  「病床稼働率を上げるために期限ぎりぎりまで入院リハビリを続けてきた病院にとっては非常に重大な問題ですが、私どもは当初から患者さんを適切な時期に早く社会復帰させることを念頭に置いてやってきましたので、上限日数を待たずに退院されるケースも多いんです。」

 

運営・経営方針

・もったいないプロジェクトの立ち上げ

 5年前からコスト削減を目的に「ローコストオペレーション」を掲げ、また時間はコストとの考えから業務改善活動を行い、成果を出してきましたが、それとは別に平成17年7月に、省エネ、エコプロジェクトである「もったいないプロジェクト」を立ち上げました。
  契機の一つになったのは国民的プロジェクトの「チーム・マイナス6%」です。深刻な問題となっている地球温暖化の解決のための京都議定書が2005年2月16日に発効し、日本は温室効果ガス排出量6%の削減を目標とすることを世界に約束しました。しげい病院はこれを実現するために「チーム・マイナス6%」に法人として参加し、この活動を具現化したのが「もったいないプロジェクト」です。
  療養環境の質を落とさないことを前提に、具体的な取り組みは様々な方法での節電や節水、レジ袋やコピー紙などのごみ排出量の削減、業務車両のアイドリングストップ、環境に配慮した省エネ電気製品を選択して購入するなど多岐に渡ります。これらの取り組みを実行すべく、各部署からメンバーを選出し病院内を巡回したり、デマンド・コントロールシステムの導入、ステッカーを貼って告知に努めたりと非常に細かい活動を行っています。さらに月ごとの消費電力量、水道使用量の掲示や前年同月対比の削減量を示し、それをCO2削減に換算した数値をホームページで全て公開しています。これらは結果として従来とは違う方法での病院のコスト削減(平成18年度は水道、電力使用量ともに前前年対比9%の削減、年間で合わせて約600万円のコスト削減)となり、第56回日本病院学会でこの取り組みについて発表したところ、大きな反響がありました。

  「病院の淘汰が進む中、医療機関があまりお金の話をしてはいけないとか、かっこ悪いとかの時代は終わりました。このプロジェクトを通して職員の意識も大幅に変化しましたよ。コスト意識が芽生えたのはもちろんですが、具体的な数値を掲げることによるモチベーションのアップ、そしてなにより団結力が増しましたね。」
  他の病院ではまだあまりみかけない光景ですが、しげい病院が一つの雛形を提示したケースとなっています。
 平成21年9月に鳩山総理大臣が、国連気候変動サミットで「平成2年比温室効果ガス25%削減」という我が国の目標表明を受けて、平成22年1月14日から「チーム・マイナス6%」を「チャレンジ25キャンペーン」として、よりCO2削減に向けた運動へと生まれ変わり展開を始めました。
 当院でも、いち早く「チャレンジ25キャンペーン」に企業・団体として登録(平成22年1月29日)を行い、これまでにも増して、「もったいないプロジェクト」を推進し、地球温暖化防止に努めていきます。

 

・文化活動
 しげい病院の1階に「倉敷昆虫館」という昆虫を展示しているフロアがあります。これは理事長の父 故重井博氏が創設したもので、数千種類の昆虫を展示する本格的な博物館です。駅においてある倉敷市の観光マップにも記載されているほどの観光名所ですが、無料で開放しています。
 「展示標本は約3,000種、約15,000点で、その中の約70%は岡山県内産です。ほとんどは、倉敷昆虫同好会会員を中心とした方々の約半世紀にわたる分布調査の記録標本で、もはや時代をさかのぼって、手に入れたりはできないものです。一つ一つが、その個体が、その時点に、その場所に居たことを示す貴重な証拠品とも云える、かけがえのない標本です。」

倉敷昆虫館

  一方、「市民のために素晴らしい自然の緑を残しておきたい」と1964年に倉敷市に約5ヘクタールの重井薬用植物園を誕生させました。約63種類におよぶ県指定の絶滅危惧種の保存を始め、貴重な植物の種子を全国に配布するなど自然保護活動に貢献しています。

重井薬用植物園

今後の課題

・回復期リハビリテーション
 療養病床削減が進んでいるため、しげい病院では回復期リハビリによりいっそうの力を入れたいと考えています。
  「極論かもしれませんが、『しげい回復期病院』と名前を変えてもいいぐらいに思っています。私どもの地域での役割をより明確にしていきたいです。」

  ただ透析についてはもちろん継続して行っていく方針です。回復期とはあまり関係なさそうですが、『透析=病気(急性期)』とはとらえるべきでないこととともに、『質の高い透析=徐々に進む廃用症候群の防止』とも言えます。日々、良質な透析とリハビリによる回復が必要であるとの考えからです。

メッセージ

・当院は回復期を主体とした医療提供体制です。

・県下で、もっとも早くに人工透析を開始した歴史ある病院です。同じ法人内に腎臓疾患の基礎研究を主体とした「重井医学研究所」(岡山市)があります。

・透析患者数は300名前後で、県内において2番目に患者数の多い透析施設です。ちなみに一番多い施設は、同じ法人内にある「重井医学研究所附属病院」(岡山市)で、透析患者数350名前後です。

・快適なアメニティの療養環境が自慢です。

・患者さまに障害を克服し、社会復帰を果たして頂くための医療機関、即ち「病院」ではなく健康になるための「健院」を目指しています。

・近接する超急性期医療、高度先進医療を提供する1161床の倉敷中央病院とface to faceの良好な医療連携、役割分担がとれています。

病院理念

 しげい病院施設目標
・地域社会に信頼されるやさしい病院を目指します。
・感動する心を大切にし、常に問題意識を持って看護します。
・退院後の自宅療養を含めた一貫した医療を目指します。

 


本文は、2007.06.01に.e-doctor.のホームページHOSPITAL INFOlに掲載されたものを改変したものです

 
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