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Q.療育って何ですか?

A.当療育センターでは、言語聴覚士による言語聴覚療法、作業療法士による作業療法、心理士による心理面接、言語聴覚士・作業療法士による集団療法(グループ)をさします。
当療育センターでの療育は、次のことを大切にしています。お子さんの特性を把握して得意な面を伸ばし、少しずつ苦手な面へのフォローや成長発達を促していきます。同時に、お子さんの特性を正しく理解してもらえるようご家族・園・学校などと協働していきます。

本来の生活の場であるご家庭・園・学校で、療育での内容を活かしてもらうことを目指して療育を行っています。
*詳細は各部門の紹介をご参照ください。
*療育の開始及び終了は、お子さんの状態によって変わりますが、医師の指示のもとで決定されます。

 

Q.療育でどんなことをするんですか?

A.基本的には遊びや課題、やりとり・お話などを行っています。これらの活動を通して成功体験を積み、自己肯定感を育みます。お子さんの発達年齢や特性によって様々なことを行っています。

 

Q.いつまで療育を受けることができますか?

A.主に小学生以下のお子さんを対象としています。
ただし、途中で卒業を迎える方も多く中には継続となる方もいらっしゃいます。最終的に小児科医師が終了や継続の判断をいたします。終了時期の目安として、療育評価の診察時・年度末・就学時・お子さんの状態が改善したときなどに設けています。

 

ここで事例を紹介します。

言語聴覚療法
 2歳半頃に「ことばの遅れ」で来院したAくん。
 初診時は「かーか(お母さん)」「バイバイ」といった有意味語が2、3語程度でした。視線の合いにくさ、同世代の子どもへの興味の薄さ、かんしゃくといった特性も見られました。
 療育ではまず、指さしの獲得・三項関係(物を介した子どもと大人の関わり)の構築を目標とし、おもちゃ遊びを通して言語聴覚士との関係を深めていきました。発話意欲は旺盛で、回を重ねるごとに「くく(くつ)」「ななな(さかな)」「これ」「バナナ」「おいちー」と単語の表出が増えました。遊びの中で欲しいおもちゃを指さす様子も見られるようになりました。
 5歳になった今では、療育中は常に穏やかで、言語聴覚士に視線を向けて会話のやりとりが続くようになり、自分の気持ちを「もっと難しいのしたい」と文章で伝えられるようにもなりました。また、保育園でお友達と遊んだことをお話ししてくれるようにもなりました。

作業聴覚療法
 手先の不器用さがあり、作業療法を受けることになったBくん。
 手を使う事に拒否は無いものの、積極的には取り組めません。鉛筆を持つと力が抜けてしまい頑張って書いてくれたのはとっても色の薄い、彼なりの文字でした。文字や数字は大好きなのに書くことができません。
 作業療法士は、何で力が抜けてしまうのか、専門的な評価を行いました。すると、体幹(身体の中心部分)に問題が見つかりました。そこでボールを投げたり、トランポリンを使ったり、ハイハイ競走をしたり・・・身体を使って一生懸命遊びました。すると姿勢が良くなり、鉛筆を持っても力が抜けません。今では名前が書けるようになりました。

心理面接
 嫌な事があるたびに大暴れしていた小学3年生のCくん。
 心理士とお母さんと一緒に、心理士手作りの“気持ちの温度計”を使ってお話をしました。『今日うれしい気持ちになったのはこんな時』『休み時間のドッジで友達に「ヘタクソ」って言われた時にはこんな気持ちになった!だから追いかけて蹴ってやったんだ!』
 心理士はCくんの腹が立ったり悲しかったりした気持ちを、しっかり受け止めていきました。それから、人と自分と物を傷つける行動はNGだという社会のルールを確認し、それ以外のOKな方法を一緒に考えて、次の心理面接までに実行してみようと3人で約束しました。今でもカーッとなって暴れてしまうことはあるけれど、心理面接を繰り返していくうちに、その場所から離れて1人になったり、担任の先生に気持ちを聞いてもらいに行ったりと、OKな方法で自分の気持ちや行動を落ちつけられることも増えてきました。
 そんなCくんに、お母さんは「最近、上手に嫌な気持ちを片付けられるようになってきているよね!」と、うれしそうに声をかけていらっしゃいました。Cくんもにっこりうれしそうでした。

グループ療育
 他院にて「自閉症」の診断を受け、療育目的で来院したDくん。
 お母さんの困りは、ことばでコミュニケーションが取れないこと、こだわりが強いことでした。
 グループを始める前にまず個別療育で言語聴覚士との関係を築き、クレーン(子どもが大人の手を持って物を取らせる動き)ではなく、言葉で要求を出せるようになりました。
 小学校入学後にグループが始まりましたが、離席の多さ、拒否表現の激しさ(奇声、床に寝転がる、泣き喚く)、勝ちへのこだわりの強さが目立ちました。
 Dくんが参加しやすい遊びの内容をみんなで考え、パニック時の対処法(一旦退室するなど)を明確にし、Dくんの気持ちを言語聴覚士が読み取って言語化する関わりを気長に続けました。
 5年経った今では、遊びに負けて「もう勝てなかった!負けだー!」と崩れることはあっても、友達から「Dくん、また次すればいいが」「次の遊びをしようよ」と声をかけられると切り換えて遊びに再参加できるようになりました。

療育終了時期の目安として、療育評価の診察時・年度末・就学時・お子さんの状態が改善した時などに設けています。

 

Q.発達検査(評価)って何ですか?

A.日常生活や見た目の印象からだけでは分からない、発達の水準や、個人内の発達のバランスを捉えるためのものです。発達検査の種類によっては、IQなど数値化された結果が得られますが、数値だけを重要視せず、検査の様子や日常の姿とすり合わせ、検査者が見立てを行います。そして、これらの情報をもとに、今後の望ましい支援を検討します。
また、当院では、後日医師が診察時に、検査結果のまとめをお渡しし、ご本人の特性や支援の方法について説明しております。ご家庭での関わりや、在籍する園・学校での支援に活かしていただければ幸いです。

 

Q.発達検査(評価)では、どんなことをするんですか?

A.当院では主に、新版K式やWISC-Ⅳといった検査を採用しており、質問形式の課題や机上での作業課題に取り組んでいただきます。その他、必要に応じて、言語やコミュニケーションに関する検査や、作業や運動に関する検査を行うことがあります。所要時間は30分~120分程度と、種類によって異なります。
また、基本的には個室で検査者と1対1で行い、小学生以下の場合にはご家族お1人の同席もお願いしています。

 

Q.発達検査(評価)を受けることを、子ども(本人)にどう説明したらいいですか? どんな準備が要りますか?

A.『検査』や『テスト』という言葉を突然聞くと、必要以上に身構えてしまうお子さんも多いでしょう。そこで、年齢の小さいお子さんであれば、『クイズやパズルを病院の先生と一緒にやってみよう』と伝えていただいたり、小学校高学年以上のある程度理解できる年齢のお子さんであれば『勉強や生活がうまくいくように、自分の中の得意や苦手を見つけるための質問や問題に取り組む』と説明いただくとよいかもしれません。
決して、『自分がダメだから受けさせられる』『よい結果を出さなくてはいけない』という誤った印象を、お子さんに持たせないようにしてください。
また、当日、筆記用具等のご用意は必要ありません。検査の進行については、当日、検査者から丁寧に説明させていただきます。体調を整え、おだやかな気持ちで、来院していただければと思います。

 

Q.2回目以降の発達検査(再評価)を受けたいのですが?

A.再評価のご希望の際は、目的の確認や事前の診察、園・学校生活のレポートの作成等の説明をいたしますので、まずは心理士までお問い合わせ下さい。また、以下の3点についてお問い合わせの前にご確認ください。

1つめに、『目的が明確であること』です。
再評価が必要となる場合は、各種手続きや書類申請に関係する場合や、現状を把握し適切な関わりや支援につなげたい場合などがあるかと思います。それらの目的がない場合、必ずしも毎年や定期的に受ける必要はございません。

2つめに、『前回から期間が適度に空いていることやタイミング』です。
変化の出やすい年齢の小さいうちは1年前後の間隔で行うことが望ましい場合もありますが、小学校中学年以上になってくると、検査内容を覚えてしまうことで適切な評価を行えないこともあります。当院では、小学校以上の場合は特に、約2年の間隔を設けることを推奨しています。また、小学校や中学校への入学する際の資料で、年長や小6の時期の結果を提出されることが多いと思われますので、そのことを踏まえて再評価のタイミングを決めていく必要があります。

3つめに、『以前の結果が十分に活用されているかどうか』という点です。
1回1回の発達検査において、検査者はお子さんの状態を丁寧に見る必要があり、大変時間や手間を要します。また、検査そのものが、お子さんにとって負担になることもあります。もし、お手元に以前の結果がございましたら、まずはそちらを最大限活用していただけると幸いです。

また、ご不明な点も、ご遠慮なくお問い合わせください。

なお、時期によっては、大変混み合い、検査までに数ヶ月お待ちいただく場合がございます。あらかじめご了承ください。

(現在は3ヶ月後 の実施となります)