日当たりが良く、やや乾燥気味の林縁などに生育する高さ1～2mほどの落葉低木です。国内では中国地方（広島・岡山・島根）と香川県、福井県、国外では朝鮮半島と中国に分布し、岡山県では新見市、高梁市などの石灰岩地にまれに生育していますが、石灰岩地でなければ生育できないわけではなく、あまり土質を選ばず栽培することができるため、庭園などにしばしば植栽されています。しかし、自生する地域はきわめて限られており、環境省レッドリスト2020では「絶滅危惧ⅠB類」、岡山県版レッドデータブック2020でも「絶滅危惧Ⅰ類」とされています。園内では4月17日現在、見ごろを迎えており、5月連休頃までは花を観察可能と思われます。（2024.4.17）

北海道から九州までの山地の日当たりがよく、比較的水分条件の良い場所に生育する高さ20mほどになる落葉高木です。岡山県下では中部の吉備高原以北では比較的普通に見られる樹木です。和名の「ウワミズ」とは、「上溝（うわみぞ）」が変化したもので、古代の亀甲占いに用いられたことに由来するとされます（諸説あり）。ちなみに分類上、以前はヤマザクラなどと一緒に Prunus（現在のスモモ）属の中のウワミズザクラ亜属とされていましたが、現在ではヤマザクラは Cerasus（サクラ）属、本種は Padus（ウワミズザクラ）属とされています。園内では、湿地エリアに植栽されたものが4月17日現在見ごろとなっています。（2024.4.17）