倉敷昆虫同好会
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虫たちの素顔
 
 ハッチョウトンボ Nannophya pygmaea
 

高速道路がお辞儀した湿原 (2009.6.25)

 高速道路、岡山自動車道建設予定地が公開されたおり、ここの湿原は、まさにそのど真ん中に含まれていました。これは、どげんかせにゃあいけん! 地元の自然を愛する人々の先頭に立って、国土交通省のお役人と折衝されたのが、故重井博先生でした。国交省はそれまでの前例を破って、初めて計画路線を少しずらすという判断を下し、湿原の存続が守られました。
 ハッチョウトンボもそのお陰で、ここでも人気者になっています。写真の個体は未熟オスで、しっぽを立ち上げています。 (青野孝昭)

ハッチョウトンボ 総社市福井ヒイゴ池湿原 (2009.6.25)

総社市福井ヒイゴ池湿原 (2009.6.25)

 
 ハッチョウトンボ Nannophya pygmaea (2)
 

トンボの小人族 (2009.6.25)

 トンボ科では日本で一番小さいトンボ。体長20mm足らずで、10円硬貨の大きさに収まってしまいます。学名の種小名には伝説上の小人族を意味するラテン語が当てられており、和名の由来といわれる矢田鉄砲場八丁目という地名より、説得力があります。
写真の個体はオスで、成熟すると真っ赤になります。モウセンゴケやサギソウなどが生える陽当たりのよい湧水型湿原、湿地に点々と生息しています。
岡山県は、このトンボを留意というカテゴリーに格付けし、生息地がみだりに破壊されないよう、注意を呼びかけています。
分布域は、東洋の熱帯・亜熱帯を中心に南はオーストラリア、北は日本にまで、こんな小さなトンボがどうしてと言えるほど、広く広がっています。 (青野孝昭)

ハッチョウトンボ 総社市福井ヒイゴ池湿原 (2009.6.25)

総社市福井ヒイゴ池湿原 (2009.6.25)

 
 ハッチョウトンボ Nannophya pygmaea (3)
 

 雌専用の生き残り術 (2009.5.24)

 鳥や昆虫など雌雄で形状、色彩など異なる場合、雌の方が地味で目立たず、周りの景色によく溶け込んでいる場合が多いようで。ハッチョウトンボの場合もそうですね。地肌が見えたり、枯れ草が混じったりの湿原では、具合の良い隠遁色になっているようです。
成虫の出現期は、岡山県に例を取ると、5月上旬から9月中旬までで、6月にもっとも多く見られます。(青野孝昭)

ハッチョウトンボ 岡山市日応寺 (2009.5.24)
岡山市日応寺 (2009.5.24)
 
 
 
 
 

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倉敷昆虫同好会事務局
〒710-0051岡山県倉敷市幸町2-30しげい病院1階倉敷昆虫館研究室内
 
電話:086-422-8207 
E-mail:
kurakon@shigei.or.jp

 
倉敷昆虫館はしげい病院の1階にあります。展示および収蔵標本は主に倉敷昆虫同好会員による半世紀以上の調査活動の成果によるものであり、そのうち3200種14000点を展示しています。  
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