倉敷昆虫同好会
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虫たちの素顔
 
 クマバチ(キムネクマバチ) Xylocopa appendiculata (1)
 

自慢のすね毛は花粉まぶれ (2009.4.18)

 クマバチとスズメバチはどちらも俗にクマンバチと呼ばれることが多く、かなり混同されています。春には熊蜂の雄がよく空中でホバリングしています。ぶ〜んという羽音をたてながら。怖い。多くの人はそう思っている節があります。私もそうでした。
 今は違います。ホバリングしているのは雄で、決して刺さないことを知ってからは、得意になって掌の中に握って見せたりした頃もありましたっけ。お恥ずかしい。
 雌はチクリと刺すことがありますけれど、スズメバチの比ではありません。花に夢中のおとなしいハチです。写真の個体は雌で、腹部や脚が花粉にまぶれています。花粉を集めているのでしょうか。枯れ木の枝などに穴を開け、幼虫室を作り、花粉を蓄えて卵を産み付けることが知られています。 (青野孝昭)

クマバチ(キムネクマバチ) 総社市清音黒田 (2009.4.18)

総社市清音黒田 (2009.4.18)

 クマバチ(キムネクマバチ) Xylocopa appendiculata (2)
 

飛翔中は脚を丸めてたたんでいます (2010.4.28)

 この日、鷲羽山ビジターセンターがリニューアルオープン。NPO活動をなさっている藤野さんに誘われ、訪れてみました。展望台付近には藤棚があって、白色と淡い紫色の藤の花が咲いていました。
クマバチのオスはホバリングしながら、飛び交い、メスは藤の花巡りを繰り返しています。その一瞬を下から見上げながらカメラに。飛翔中はあの毛むくじゃらの脚を腹面に丸めています。空気抵抗は少ないはず。それで、あんな瞬発的な飛び方もできるんだなあ。
最近、クマバチの近縁種が新たに侵入し、島嶼部固有の近縁種を含めると日本には6種の仲間がいて、内地のクマバチはキムネクマバチと改名されたそうです。(青野孝昭)

クマバチ(キムネクマバチ) 倉敷市鷲羽山 (2010.4.28)

倉敷市鷲羽山 (2010.4.28)

 クマバチ(キムネクマバチ) Xylocopa appendiculata (3)
 

大あごと口吻がよく見える (2010.11.5)

 春4月から姿を見せるクマバチ。11月は成虫の出現期末月。公園の花壇に植えられたブルーサルビアは格好の蜜源。三角形の黄色斑がない黒一色の顔をした雌蜂が飛来。着花寸前の態勢を写すことができました。噛むための大あごは少し開き、硬化して鋭く尖った口吻を直ぐにも使えるように繰り出しています。 これは、まさに盗蜜という、筒状の花の根元近く、花を破る形で口吻を差し込んで蜜を吸う、花にとってはありがたくない行動に移る一瞬の一コマ。(青野孝昭)

クマバチ(キムネクマバチ) 岡山県倉敷市酒津 (2010.11.5)

岡山県倉敷市酒津 (2010.11.5)

 クマバチ(キムネクマバチ) Xylocopa appendiculata (4)
 

メスがやってこないかなあ

 クマバチ(キムネクマバチ)(2)の文面で、キムネクマバチという呼称は最近用いられるようなったげに書きましたが、認識不足でした。お詫びします。1934年発行の台湾博物学会会報24(132)を見て、楚南仁博さんがキムネクマバチという和名を既に使われていたのに気づきました。台湾が日本の領土だった頃から使われていたのですね。

春、キムネクマバチのオスが空中でホバリングしながら、メスの飛来を見張っているのをよく見かけます。やっとの事で撮影してみたところ、触角をぴんと立てていることがわかりました。この時のシャッター速度は2500分の1秒でした。(青野孝昭)

キムネクマバチ(クマバチ) 総社市福井ヒイゴ池湿地(2013.5.6)

総社市福井ヒイゴ池湿地(2013.5.6)

 

 

 
 

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〒710-0051岡山県倉敷市幸町2-30しげい病院1階倉敷昆虫館研究室内
 
電話:086-422-8207 
E-mail:
kurakon@shigei.or.jp

 
倉敷昆虫館はしげい病院の1階にあります。展示および収蔵標本は主に倉敷昆虫同好会員による半世紀以上の調査活動の成果によるものであり、そのうち3200種14000点を展示しています。  
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