倉敷昆虫同好会
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虫たちの素顔
 
 アメリカシロヒトリ Hyphantria cunea (1)
 

 サクラの葉も大好物です (2009.8.23)

 1949年のある雑誌に「恐るべきニューフェイス」という活字が踊っていました。1948年の初秋、東京都心の上野、銀座、日比谷、神田などの街路樹、プラタナス、柳、等々が、一見ヒトリガ科の幼虫と推定される毛虫に食い荒らされていることが報じられ、緊急防除対策委員会が開かれ、1949年はBHC粉剤を動力散布機で散布しています。
 種名は、間もなく江崎悌三博士らによって正しく同定されており、1946年には東京で見ているという昆虫学者もいらっしゃいました。1945年に日本へ進駐した米軍とともに北米大陸から渡来したことは間違いないでしょう。
 その後、都心以外の地方にも瞬く間に広がりましたが、懸命の防除によって、被害は激減、日本ではほとんど見られなくなったと聞いていました。ところが、また、増えているようですね。驚いています。見かけによらず毒は持っていません。(青野孝昭)

アメリカシロヒトリ 倉敷市酒津 (2009.8.23)

倉敷市酒津 (2009.8.23)

 
 アメリカシロヒトリ Hyphantria cunea (2)
 

 増えすぎ防止の安全弁 (2009.8.31)

 幹表面を歩き回る幼虫がぐっと数を減らしている中、桜の樹を一本一本見回ってみました。案の定、わずかですが成虫が何本かの幹の表面にも止まっていました。
ふと見ると、なんと、この個体にはヨコヅナサシガメの幼虫が斜め上方からやって来て、まさに鋭い口吻で襲いかかろうとしていました。なるほど、こうして外来種同士でも、一次消費者と二次消費者の間で食物連鎖が出来上がり、バランスが保たれて行くのですね。 他にも一匹は2頭のアリに捕まっていました。また、クモの巣に引っかかって昇天している個体も認めました。結構、生物同士で数の調整も進んでいるようです。(青野孝昭)

アメリカシロヒトリ 倉敷市酒津公園 (2009.8.31)

倉敷市酒津公園 (2009.8.31)

 
 
 
 

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倉敷昆虫同好会事務局
〒710-0051岡山県倉敷市幸町2-30しげい病院1階倉敷昆虫館研究室内
 
電話:086-422-8207 
E-mail:
kurakon@shigei.or.jp

 
倉敷昆虫館はしげい病院の1階にあります。展示および収蔵標本は主に倉敷昆虫同好会員による半世紀以上の調査活動の成果によるものであり、そのうち3200種14000点を展示しています。  
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