ごあいさつ

創和会創立64周年を迎えて

肖像写真

医療法人創和会
理事長

重井 文博

  本日、創立64年のこの日を迎えることができたのも、職員の皆さんの並々ならぬ努力と協力のおかげと心より感謝いたします。

 また、この日に10年、20年、30年と病院に貢献くださった永年勤続の皆さんを表彰できることは、誠に喜ばしいことです。あっという間に過ぎた年月とは思いますが、この節目の年を迎え、今までのことを思い起こし、これからの目標を心新たにご活躍されることを期待しております。

 今後とも健康に留意の上、ますます頑張っていただけますようよろしくお願いいたします。

(以下は、理事長講演の要点を中心に、講演内容をそのまま掲載しています。)

写真:理事長講演
スライド:本日のお話

 今、これから事業として進めようとしていることについて、既に皆さん耳にしているとは思いますが、一度まとめて話したいと思いスライドを用意しました。創和会の財務・経営状況とか、コロナのことも、とても大切なことですが、こちらは、この後講演の院長に任せます。

 今日最初に話すことは、健康増進施設「はぁもにぃ倉敷」で、はぁもにぃ倉敷と病院がコラボして、認知症予防早期リハビリテーションの「コグニサイズ講座」をスタートについて。

 その次は、岡山大学消化器内科の高木教授を共同研究者として、大学との共同研究をスタート。創和会の新たなる社会貢献です。

 次に高梁川流域の医療支援。特に過疎の進む上流域(新見・高梁地域)ですが、我々古くより高梁川という絆で結ばれた仲間として、医療支援をやっていこうという話。これもすでにスタートしています。

 最後に、透析クリニックを開設。創和会として、第三の透析施設開設を進めるという話です。

スライド:1955(昭和30年)創和会の前身、重井内科から往診に向かう重井博前理事⻑

 昭和30年、「重井内科」(診療所)を重井博前理事長が開設。市内の旧天満屋デパートの近くにありました。

 記憶が定かでないのですが、このバイクはベスパというイタリア製バイクだったと思います。オードリー・ヘプバーンが映画「ローマの休日」でグレゴリー・ペックと二人乗りをして走るシーンがありますね。同じバイクではと思いたいです。そういう意味では、前理事長はおしゃれだったのかと思ったりもします。往診に行くのにベレー帽はなかなか被れないですよね。

スライド:1958(昭和33年)5月12日 重井病院開院

 診療所から病院へ。昭和33年重井病院開設ですが、当時私は3歳。記憶にないのですが、重井病院スタート時の玄関です。

スライド:上空から見た病院

 ほぼ同じ頃の上空から見た病院。上から写真を撮ろうという発想は、民間では当時なかなかなかったと思います。

 周りは田んぼです。右側の建物は何かわかりませんが、今は法務局の場所です。右上の方が倉敷中央病院になります。

はぁもにぃ倉敷 5月12日にスタート 認知症予防「コグニサイズ講座」

 倉敷市民会館そばの「はぁもにぃ倉敷」。知らない創和会職員はいないと思いますが、「はぁもにぃ倉敷」は何と言われたら、こう答えてください。厚生労働大臣認定の健康増進施設で、指定運動療法施設ですと。創和会理念である「生きることの尊さと健康であることの幸せを、すべての人と共に」と一致するものだと、そう理解してもらいたい。

 「病気にならないこと、加齢に負けないことといえば、はぁもにぃ倉敷」で、存在意義を発揮していく。今までも取り組んできましたが、今後は病院・医療とのコラボレーションをより明確にして、各種疾病・障害予防のための講座開設をプランしていきましょう。

スライド:認知症予防プログラム「コグニサイズ講座」

 本日5月12日からスタートする認知症予防プログラム「コグニサイズ講座」。しげい病院の認知症早期対応チームがプロデュースしてくれています。心臓リハビリテーションチームが2年ほど前より最初のメディカル講座をスタートしています。期待の第二弾です。

スライド:病院と はぁもにぃ倉敷のコラボレーション企画

 スライドは、講座を運営するしげい病院認知症対応チーム(医師・看護師・OT)と、はぁもにぃ倉敷の健康運動指導士です。こういう展開を他の分野でも広げていきたい。例えばコンチネンス。はぁもにぃ倉敷で提供する良いテーマと思います。

 はぁもにぃ倉敷の介護予防デイサービス利用者に、アンケート調査で利用の理由を尋ねたら、2割弱の方がコンチネンス対策とのこと。すなわち排泄トラブル対策として来ているとの結果です。数の多さに驚きました。骨盤底体操を中心としたコンチネンス講座開設が望まれます。

 医学的見地に立ったフレイルやサルコペニア対策講座開設も進めたい。心臓リハビリテーションに続いて腎臓リハビリテーション、肝臓リハビリテーション講座を、はぁもにぃ倉敷でどうか。

 医療保険では、疾病予防は診療報酬としてなかなか認めてもらえません。それゆえに、健康増進施設のような医療機関ではないところでの提供が、大いに考えられるところです。

岡山大学と共同研究講座

 岡山大学の高木教授と、すなわち岡山大学の消化器内科と私たち創和会が、肝腎連関で共同研究の講座を開設し、スタートしています。(研究内容については、7ページの高木先生の紹介ページを読んでください。)

 高木先生、顔を覚えている人もかなりいると思います。長年しげい病院に、お正月やGWの当直に来てくれていて、長いお付き合いが実はあるんです。

スライド:肝・腎疾患連携推進講座
スライド:創和会のSDGs 3番 すべての人に健康と福祉を

 SDGs。ちょっと話が飛ぶように見えますが、「持続可能な開発目標」。国連が世界に向けて、2030年までにいろんな社会的問題、環境問題等を改善していこうというプランの総称です。だれひとり取り残さない、世界中の人のために持続可能な開発目標を立てようというのがSDGsなのですが、この共同研究は我々創和会のSDGsと捉えてもらったら良いんじゃないかと。

 SDGsには17の目標があるのですが、その内の3番が「すべての人に健康と福祉を」「予防や治療をすすめ、感染症以外の病気で人々が早く命を失う割合を3分の1減らす」という目標です。これは自分たちが今やっている診療と理解したら良いと思います。

 「創和会SDGs」という言い方で頭を整理してもらえたら。

高梁川流域における医療支援

スライド:創和会のSDGs 11番 住み続けられるまちづくりを

 SDGs11番は「2030年までに、だれも取り残さない持続可能なまちづくり」すべての国で。まちづくりとは何?

 ピンとこないとは思いますが…。

スライド:過疎化・高齢化・少子化の進⾏著しい高梁川上流域への診療⽀援による社会貢献

 過疎化、高齢化、少子化の進行著しい高梁川上流域での、診療支援による社会貢献を目指す。この流域が存続可能なエリアであり続けること。つまりこのままでは人がいなくなるという勢いで進んでいる過疎化、高齢化、少子化ですが、これを食い止めるための我々なりの貢献を考えようという話です。

スライド:高梁川流域の地図

 高梁川流域の地図です。一番上が新見地区、その下が高梁地区で、ここが上流域と考えてよいと思います。

スライド:岡山県医師会透析医部会の要請による新⾒クリニックへの透析医派遣(毎週水・木)

 その中でスタートしているのが、県医師会透析医部会からの要請による新見クリニックへ透析医の派遣。新見クリニックの先生が診療できない状況になった。医師不在では透析行為ができないですね。これは大変。新見地域のあの広い地域で透析施設はここしかない。ここで透析できなかったら、遠く離れたところに通院せねばならないが…。まさにそれって透析者は新見に住めないということになるねと。それはいかんでしょうということで、透析医部会より創和会で支援はどうだろうかと打診があり、有元院長の英断です。「派遣しましょう。これは本当に皆にいろんな意味で負担がかかるけども、皆さんよろしく頼みます」との院長の発言を聞きましたね。そして皆さん実行してくれている。「義を見てせざるは、勇無きなり」研究所附属病院でも派遣体制を整えてくれました。

 新見クリニックでは本当に感謝されています。当面これは続くと思わないといけない。体制を固めていく必要があるし、更なる支援が必要となる可能性もあるというところです。

 新見クリニックは、伯備線の新見駅から3分ぐらいですね。駅のすぐそば、高梁川沿いにあります。

スライド:高梁地区のへき地医療拠点病院である国保成⽻病院とのコラボで、地域に必要な認知症診療を提供(4月スタート)

 もう一つは高梁地区ですが、高梁市立国保成羽病院。新しくてきれいな病院です。環境は整って検査機器もあってと。高齢化と人口減少で地域の医療がどんどん変わっていく中で、不足する診療科、部門が出てきます。応じられなければ、住民は岡山市や倉敷市に行かないといけない。

 でもできるだけ住み慣れた地域で、受けられるものは受けられた方が良い。もちろん先端的医療、高度医療は役割ではないですが、そうではない一般の医療も全て揃えることは無理ゆえ、不足する診療科を我々が支援できたらということです。

 医師の派遣として要望の強かったのが認知症専門医で、しげい病院から辻医師をこの4月から隔週で派遣。大変喜ばれています。これは今、医師の派遣ですが、支援というのは医師派遣だけではないです。いずれ我々の自慢であり得意とする多職種チームの派遣協力を求められるでしょう。

 認知症診療然り、リハビリもそうですが、医師だけが行ったのでは不足ですよね。診断、投薬はできても、治療はそれだけでは足りない。そういう風に思ってください。これは、病院ぐるみで支援するんだと、多職種による支援に発展するんだということで。その時は、自分はこういう役があるのかなと頭に想像しておいてもらいたい。役割が来るぞと思ってもらいたいと。

スライド:へき地医療⽀援病院(公的役割)

 今しようとしていることを、医療制度の枠組みで説明します。右側に枠で囲んである「へき地医療支援病院」に私たちはなって、左側にある「へき地医療拠点病院」を支援する仕組みです。

 拠点病院は県より指定を受けた病院群で、先程の成羽病院がそうです。支援病院になるには施設基準があって、手を挙げたらなれるというのではなく、その条件をクリアすることで、私たちは公的な役割を担う民間病院とされます。公的な役割を担う民間病院、そういう医療法人になることを目指しているんだと理解してもらいたい。なかなかわかり難いので、また説明の機会を設けたいと思います。

 それと同時に、下にある「へき地診療所」、新見クリニックと書き加えてますが、直接「へき地診療所」を支援するというのがもう一つの役割とされています。

 今、「へき地医療拠点病院」と「へき地診療所」、両面支援で我々は行動をすでにスタートしましたという報告になります。

創和会の透析クリニックを開設

 創和会三つめの透析施設となるクリニック開設をプラン中です。

スライド:住み慣れた土地、近所で透析を

 考えていることはこういうことです。普通、病院がクリニックを展開するといったら、診療圏を広げるというイメージで捉えると思う。私たちが考えていることは違います。

 透析者にとって、生活している近くで透析を受けれるのがベストでしょう。国の進める地域包括ケアシステムの考えがそうなのですよね。創和会は、「透析医療の地域包括ケアシステム」を進めます。私たちの診療圏内の透析者が、近くで透析を受けられるように、クリニックを新設します。

 始めるにあたっては、色々とまた皆さんに協力を求めることになると思います。が、まだちょっと先の話。今、こういう考えで進めていると理解してください。

創和会のSDGs

スライド:創和会のSDGs 7番 エネルギーをみんなに そしてクリーンに

 最後にSDGs7番「エネルギーをつくる、再生可能なエネルギーを使う方法を増やす」。我々は相当以前より取り組んでいます。

スライド:みんなで止めよう温暖化 この美しい地球と自然を子供たちのために

 このスライドは、もう十数年にわたり、創立記念講演の最後に必ず出しているものです。

スライド:研究所附属病院屋上のソーラーパネル

 研究所附属病院では、屋上を使ってソーラーパネルを大規模設置して十数年になります。まさにソーラー発電走りのころだったですね。思い切ってやったと。胸を張ってよい、大きな成功例です。

スライド:しげい病院緑のカーテン

 沢山のしげい病院緑のカーテンの一部です。

 ここまでやっているところはまだないでしょう。遮光と気化熱により、エアコン電力の消費を減らそうというものです。

 南館屋上全面に今年5月、遮熱ペイントを塗布したので、デマンド値の低下、電力消費量の減少が期待通りに出るかを検証します。結果が楽しみです。

スライド:2030年に向けて 創和会SDGs(持続可能な開発目標)

 「創和会SDGs」。ちょっと頭に入れておいてください。今、私たちの日頃やっていることで、1番から17番のどれかに当てはまるものがあります。

 「私のやっているのはこれね」「何番ね」というのが出てきます。そういうことをぜひ、楽しみながらやるというイメージでいてほしいのです。私たちのやっていることは何番。貢献しているのねと思えるように。一度皆さんでまとめてもらえたらと思っています。

 ちょっと長くなりました。理解をしていただきたいと思うとともに、皆さんの協力をよろしくお願いします。以上です。

~2022年5月12日 創和会創立64周年記念日 理事長講演より~

創和会グループ

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